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第10回深セン和僑会 深広信息網絡有限公司 代表取締役 田中 修一氏

第10回深セン和僑会 深広信息網絡有限公司 代表取締役 田中 修一氏 2007/07/14

開催日時: 平成19年7月14日(土) 19:20~20:40
議題: 1年で月間利用者数1万人獲得!まだまだいける!深セン生活情報サイト「シンセンスクエア」の誕生から現在までのドキュメンタリー
講師: 田中 修一 氏
開催場所: 羅湖爵士大厦
記載者: 深セン和僑会事務局  永島蓮太郎
出席者数: 43名

田中氏は深セン市に特化した生活情報サイト「シンセンスクエア」の誕生から現在に至るまでの成長をどのように実現したのかを今回の講演で説明した。また、今後インターネットマーケティングを検討している企業または個人に対し、どのようなことを実践するべきかのノウハウを公開した。

<イントロダクション> 本日は貴重な時間をいただきうれしく思っています。 本日の題目はシンセンスクエアの誕生から現在までの道のりをドキュメンタリーでお伝えします。これまでの道のりをいろんなエピソードをあげてお話していきたいと思います。

今は会場のほとんどの方がご存知でうれしく思います。1年前はほとんどの方が知りませんでしたが、最近ではだいぶ有名になってきました。

6月のページビュー(PV)は21万2000回を超えました。ですが、PVだけではいったい何人が利用しているか、これだけではわかりません。表1は、1ヶ月間で1台のパソコンから1回アクセスされたときだけカウントする方法でアクセスをあらわしています。

月刊利用者数同一のグラフ棒1では、7811人。これは同一なIpからはカウントしない数です。つまり1ヶ月の間1台のパソコンから1回訪れたときにのみカウントされます。月間訪問者数は、12235回です。これは延べの数字で、重複してカウントする数値です。リピートをカウントします。

今月7月は約9800人の訪問者と14000回の訪問回数を予想しており、これは大変喜ばしいことですが、1年前は7月200人くらいしか見てる人がいなかったのです。今回のお話は、ウェブサイトを活用したいがどうしていいかわからないと言う方にはうってつけだと思います。話を聞いている間、自分の会社へ置き換えて、自社はどうしたらいいかを考えていただければいいかと思います。

<htmlとは?> ホームページを作ったことがある方は、会場内では結構いらっしゃいますね。ホームページを作ったこともない方のために説明します。ホームページは何でできているかを視覚的に確認する方法がありますが、まずは、自分のパソコンのブラウザからソースを選択するとソースコードというもので確認できます。コンピュータはこれを読み込んで表示させています。ソースコードとは、HTMLと通常言われています。一般的なウェブサイト制作でつかわれる記述方法です。 HTMLも同じもので、HPを更新するときはすべて手作業で行う必要があります。そのため、サイト自体の規模が大きくなるほど管理作業が大変になります。

たとえばオートフォーカスがついていないカメラで言うと、手しぼり・シャッタースピードを手作業で設定しなければなりません。

最初は、このHTMLでサイトを構築するつもりでした。2年前深センに初めてきたとき、ネットで「シンセン」の情報を検索しても中々情報が手に入らなかったので、非常に困りました。そこで他の人も困っているだろうなというところから始めました。そこからヒントを得て、まずは簡易的なものをと考えサイトをHTMLで作り始めました。

いざはじめると、HTMLで管理が大変でした。すでに公開されているページがあるとします。既存のページからリンクを張るなどの作業が発生します。これを1ヶ月、1年と続けていこうとするとその更新作業は大変なものになります。ウェブサーバーに転送するのにも、サイト規模が大きくなってくるとHTMLを更新するのにもスタッフの手を借りても、手が足りなくなってきました。

<CMSサイトとは?> 「こんな中途半端なことではだめだ」そこでYAHOOに注目しました。そこでは膨大な情報が更新されているその方法を手に入れたらいいんじゃないかと考えました。 価格は非常に高価なものとなるのです。つまり、HTMLのたとえ話に対してこのCMSサイトとは、所謂マニュアルオートフォーカスがついた最新鋭のウェブサイトであるといえます。

業者にも調べてもらいました。数百万円もかかるといわれあきらめようかと思いました。いろんなところを調べました。なぜこれだけ高額なのか、説明しますとCMSが導入されているサイト画像サイト、などデザインをつかさどる部分。次にデータベースの部分に毎日更新する部分が含まれている。そしてこれらを自動生成するプログラムが組み込まれています。CMSサイトのコアの部分になるプログラムがあることでhtmlベースのサイトに比べて

<GPLとは?> 色々調べていくとGPLのソフトウェアに出会いました。これが私の人生を変えました。そのGPLというのは、ジェネラルパブリックライセンスの略。ソースコードの公開がされている。また、使用者へ改変の自由を認めている。自分が作成したいものが公開されていて、世界中の人々が修正を加え、また、こういったソフトが無料で手に入るようになっています。さて、GPLソフトで構築されているウェブサイトは日本の安部首相のサイトはGPLで構築されています。また、日本銘酒会もGPLで開発されています。

いろんなところでいろんな団体がこの無料ソフトがつかわています。深センスクエアでは、最初に使ったお金は3万円。それで必要な参考書を5冊買いました。そしてこのGPLをものにしてやろうと思いましたがわからないことばかりでした。そこでインターネットで調べました。そうすると世界中でGPLの教えあいなどをしているサイトがあることに気づきました。「この機能がほしいがどこにある」など質問をしました。そうしてプロトタイプができました。

<5つの問題への取り組み> しかし、公開開始当初は訪問者がひとりしかいませんでした。そしてそれは私でした。太平洋に一人だけいるような感じでしょうか?人がたくさん集まるサイトにするにはどうしたらいいか?問題を5つに整理して対策を考えました。

1.インターネットで露出度を高めるためには?→検索エンジンで上位表示を目指す。 2.人が人を呼ぶサイトにするには?→ほかのサイトにはない情報を提供する。 3.リピートしてもらえるサイトにするには?→最新情報をできるだけ早く提供。 4.自分たちの能力以上の影響力を獲得するには?→各サイトの運営会社やメディアと提携 5.広告主に喜んでもらえる広告媒体とは?→深センセレクトの開発。広告主に喜んでもらえるサイトをつくりました。

こうして自分たちの進む方向を決めていきました。では、個別の取り組みについて一つずつ見ていきましょう。

<1.検索エンジンで上位表示を目指す!(インターネットで露出度を高めるには?)> 検索エンジンで上位表示されなければならないのですが、どの検索エンジンで調べてもらう必要があるのでしょうか?アメリカではGOOGLEが1位です。フランスでは、グーグルが圧倒的に人気をほこっています。フランスでは66%。YAHOOは15%。アメリカほど支持されていません。アメリカとフランスと比較してわかるのは、日本ではYAHOOが52%と圧倒的な力を占めています。こう考えると日本では、YAHOOとGOOGLEだけでかなりの市場を抑えることができます。 位にランクインしています。これはインターネット関連事業では圧倒的に1位です。では、YAHOOとGOOGLEで上位表示させるにはどうすればいいか?

日本国内のブランド力のアンケートでも一般市場でもB TO CではYAHOOは4位となっています。B TO B ではYAHOOが30

1つめ、有料広告を表示させる方法があります。 キーワード連動型の広告です。お金を払えば検索されますが必ずしもよい結果が得られるとは限りません。スペースが限られています。企業間で競争が始まるんです。どうすればいいのか?それはライバル企業よりも高いお金で購入すればよいのです。

1クリックにつき9円からいくらと言う仕組み。そしてより高い広告費を払う、入札した企業が表示される方法。月にこの広告で数百万円もかけているというお話を伺いました。私はびっくりしました。

もうひとつ上表示の方法は、お金を全くかけないで上位表示させる方法です。シンセンスクエアでは「深セン」YAHOOで1位。「シンセン」GOOGLEで2位をとりました。これは広告料を払っていません。これはSEOというのものを施しています。検索エンジン最適化のことです。特定の検索エンジンを対象として検索結果で上位に現れるようにウェブページを書き換えること。またの技術のことを言います。

自分のホームページに来てくれてた人々を分析していきます。その検索をされたキーワードをもとに外部リンクの獲得する。相互リンクを増やしていくのはマイナスになることもあります。外部リンクからリンクがあるのは、評価されたことになります。これはアルゴリズムと呼ばれる仕組みから検索結果に反映されていきます。こういったことを継続的に行っていくことで得られる効果は絶大であることをシンセンスクエアは証明できたと思います。

<2.他にはない情報を提供する!(人が人を呼ぶサイトにするには?)> 人が人を呼ぶサイトを作るにはどうしたらいいか考えました。深センという街は開発のスピード非常に早いです。私たちの使命として、新しい記事を日本の皆様にどんどんアップしていく。また、シンセンにくるビジネスマンにも情報を伝えるうえでどういった形でシンセンに入るといいのか?など。これらを定期的に伝えてきます。医療面なども健康を考え日本語ではえられにくい情報を伝えるようにしました。これから滞在を予定している日本在住のユーザーもターゲット。「こんな役立つ情報もあるよ」といってくれることを期待して作成しています。

<3.ローカル最新情報を最速で掲載(リピートしてもらえるサイトにするには?)> 去年の年末の台湾地震で、ネットがつなげないことがずっと続きました。ところが、シンセンスクエアはまったく問題なかったのです。原因はわかりませんでしたが、その回線の復旧情報を確認できるようにしたらアクセス数が上がりました。この時期を機に、シンセンスクエアでは日々更新される台湾地震に関するネットの復旧状況をできるだけ最速で掲載しました。この他、日本人対日本人の話題性のあるものや日本人対中国人で話題の共有ができるものを提供していきました。

<4.各サイト運営会社やメディアとの提携(自分達の能力以上の影響力を獲得するには?)> 中国関連サイト運営会社との連携。THE香港(サイト)からも協力体制を敷こうといろんな企画を考えています。これらマスコミ・新聞との協力体制を強いていければと考えています。

<5.シンセンセレクト(広告媒体)の開発(広告主に喜んでもらえる広告とは?)>

これら明確化した5つの問題点について対策を講じた結果(10ヶ月)、去年の7月からことしの7月の成長はあきらか。またSEOの効果は絶大でした。去年の7~8月の訪問者数のわずかな伸び。これは私が直接交際しているかたにお願いした数。70~80人の方にお願いしてそれから713人へ増えていきました。わたしが直接口利きしたことで、これだけ伸びました。8~9月はほとんど成長が見られませんでした。この間SEOの対策をしていました。

仮に1年前SEOをやらなかった場合、HPの運営をつづけていたら1800人くらいの訪問しか得られなったと思います。SEO対策は10ヶ月の間に4.4倍の効果がありました。もちろん、結果はSEO対策だけではありませんが、SEO対策がどれだけ重要かわかると思います。こういったわけでシンセンスクエアは順調に推移していきました。

<月間利用者数1万人の壁に挑戦!> ある日香港の社長からあるお話を聞いたのがきっかけでした。まずは1万人を切らないように頑張りなさいと激励されました。わたしも正直ものでそれで目指したのが今年の3月で、9月までに1万人を突破しようと考えていました。

今、後もうちょっとのところまで来ています。当時予定していたよりも早く達成するのは間違いないと思いますが、ここまで来るためには新たな試みが必要でした。もちろんシンセン和きょう会のアピールもそうですが、サークル活動、勉強会、県人会の情報なども流しました。また、有料の情報を増やす方法を磨くことに力を入れました。たとえばエンターテイメントではナイト・セレクトなどといったようにです。

今後はブルーオーシャン(新市場)の開拓にも力を入れていくことを考えています。これはどういうことかというと、我々のサイトへアクセスしてくれるのは日本・中国と香港が多いです。その次は実はオーストラリアが多いです。これが非常に面白いと思いました。理由はシンセンはオーストラリアと提携がありその関連で日本の技術者が見ているのではないかと考えられます。その次はスウェーデンです。日本語を理解する技術者が見ている可能性があります。こういったアクセス数が増えているのを上手に増やして伸ばせば面白いと思います。また、 個人的な人脈を広げる。ネットなどのバーチャル人脈を増やすことも大切だと考えています。

<シンセンスクエア流の成功法> 人を中心にしてかんがえる。そしてお金に対する考え方、お金に固執しない考え方は特に重要です。「お客様によろこんでもらえるいい循環を増やす」ことができれば、人から人への紹介も生まれてくるようになっています。つまり、人のために尽くし、人の喜ぶサービスができればいいんじゃないかと考えています。

以下、要点のみ掲載します。

宇宙の法則:

・ 人のために尽くすことお客様に先に設けてもらいましょう。 ・ 人が人を呼ぶ輪に参加しましょう。 ・ お金の管理はしっかりでも、固執しない。 ・ 木を見ない、森を見る。 ・ 一度つくって「はい、終わり!」ではお金の無駄遣いです。

作ったからにはしっかり更新して下さい。ユーザーが見つけたい情報を見つけることができるかという「ユーザビリティ」のバランスをデザインと一緒に考える。会社としてしっかり考える。ブログとホームページの違いを考える。ブログは、古い情報がドンドン下に表示されてくる。この違いを理解しましょう。ホームページは会社の顔。会社の玄関のようにHPをアクセスすると恥ずかしいHPはたくさんある。会社の玄関口のような意識をしっかり持つとよいと思います。日本語のWEB製作は日本語の開発環境が大前提です。中国側で作ると文字化けが発生したりと問題が多発します。日本語の表示があるのであればこういった問題は必ずある。こういったことを知らない人が多い、そのリスクを考えてください。また中国ではSEOに関する知識がまだまだ少ない。そのためしっかり知識のあるところに頼んでください。人のために尽くすことを中心に内容を作りこんでください。 SEOに挑戦しましょう。

どのような情報でもこういった作業をしていくと必ず伸びます。またSEOは是非挑戦してください。このへんで、ちょっとSEOをやってみようと思うことは相談ください。いくらでもご連絡いただければと思います。

以上で私の講演を終わりにします。ご清聴ありがとうございました。

・ 店情報の分類化 ・ 一発検索 ・ HTMLベースの広告スペース ・ 低予算でお店を紹介。(3ヶ月1200元で提供) ・ 友達にメール送信機能 ・ 訴求性の高い機能 ・ レビュー書き込み&閲覧機能 ・ 投票評価機能つき ・ トップページからの誘導

深広信息網絡有限公司 http://sz-square.net 中国深セン市に特化した生活情報サイト「シンセンスクエア」の運営を柱にインターネット広告やウェブサイトの構築、SEO指導、インターネットマーケティングなどのコンサル業務を行う。「深セン」及び「シンセン」のキーワードでヤフーJAPANで一位、グーグルでは2位を獲得し、現在(2007年7月)の月間利用者数は約8000人

 

第10回深セン和僑会 深広信息網絡有限公司 代表取締役 田中 修一

第10回深セン和僑会 深広信息網絡有限公司 代表取締役田中修一 2007/07/14

 

<1年で月間利用者数1万人獲得!まだまだいける!深セン生活情報サイト「シンセンスクエア」の誕生から現在までのドキュメンタリー>

 

 

 

【講師】

深広信息網絡有限公司

代表取締役田中修一

http://sz-square.net

 

 

米国大学卒業後、日系商社の海外営業部で船舶関連機器の販売に携わる。父親の死を機に再び海外へ飛び出しモンゴルへ。モンゴルで教育事業を立ち上げるが、後にデザインの師と仰ぐ人と出会いデザイン職に転向。同時にモンゴルの技術大学で教鞭を取りながら、学生達を中心としたウェブデザインチームを発足。ユーザビリティーとデザイン性のバランスを重視したサイト構築の指導にあたる。

 

2005年3月、師匠と共に深センへ。深センに特化したポータルサイトの構想を思い付くが、師匠を支えることを優先。何もできぬまま1年が過ぎる。2006年5月、シンセンスクエアの構築にとりかかる。2007年1月、試験運転を経て法人化。本格的に活動を開始。現在月間利用者数8000人強。毎月15~20%で現在も利用者数が増加中。今年8月までに月間利用者数1万人を目指す。

 

シンセンスクエアの誕生から現在までの逸話を以下の内容を盛り込みながら惜しみなくお話します。

 

今更聞けないインターネットの重要性。

宇宙の法則。それは、人のために尽くすこと。

泣いた!笑った!お客様から教えられた真実とは?

木を見てはいけない。森を見て戦略を立てる重要性。

ホームページは会社の玄関と同じ。会社の顔に泥を塗るな!

戦略のないネット活動はドブにお金を捨てるのと同じ。

失敗は格好悪くなんかない!何もしないほうがよっぽど惨めな人生だ。

インターネットでの口コミ効果は実社会の口コミ効果の5倍以上だった!

SEO対策、その効果は絶大です。やるかやらないかは自分次第!

 

第9回深セン和僑会議事録 EC-Connexion.com Inc. 佐藤 英彦 先生

第9回深セン和僑会議事録 EC-Connexion.com Inc. 佐藤 英彦 先生 2007/06/09

開催日時: 平成19年6月9日(土) 19:20~20:40
議題: 元ジェットパイロットがセスナ会社を経て複数インターネットビジネスで成功するまでのストーリー。
講師: 佐藤 英彦 先生
開催場所: 羅湖爵士大厦
記載者: 深セン和僑会事務局  田中 修一
出席者数: 40名

佐藤氏は現在データベースを利用したウェブシステムを開発する株式会社コネクトインターナショナルと、商材をネット上で販売するEC-Connexion.com, Inc.を経営。この2つの会社の運営から現在年商5億円を生み出す成功を収めている。講演では、年商5億円の会社を作り上げるまでの波乱万丈なビジネス人生を惜しみもなく公開した。

会社紹介

株式会社コネクトインターナショナル データベース技術を駆使したウェブアプリケーションの開発などを手かげる。顧客や会員、商品や製品など多数の個別データを一元化し経営の効率化を提供する。この他、各種ホームページ作成、社内LANの構築業務も行う。

EC-Connexion.com Inc. 「わくわくの気持ちを大切にする」をキーワードにネット上で商材を販売する。歯を白くするファストホワイトや、美容整形しなくてもしわが無くなるDECEPTIONなど、アメリカで大ヒットした商品をドロップシッピングという独自の販売法を用いて日本市場で販売している。

佐藤氏の生い立ち

<パイロットになりたい> 少年の頃、叔父に連れられ名古屋で開催される航空ショーに行ったことが第一の人生の転換期だった。目の前を物凄い爆音で飛んでいくジェット機を見て、自分はジェットパロットになることを心に誓った。

高校卒業後、定員数80名、倍率1555倍の航空自衛隊航空学校に晴れて入学。この時の強い想い、「なりたい→なれる→ならなければならない」という思考過程が今後のビジネス人生の原点になっていく。

しかし、その道のりは順風満帆ではなく、途中で視力が基準以下にまで低下。身体的理由からパイロットには適していないと判断され、断腸の思いで除隊することとなる。

整備士としての道を歩むこともできたが、どうしてもパイロットになる夢を捨てることができなかった。そんな時、新聞配達をしながらパイロット養成学校に通うことができる教育プログラムがあることを知り、そこへ入学。だが、それは新聞配達の人材を集めるための口実で、実際にパイロットになるためにはあまりにも非現実的なカリキュラムだったことを後になって知る。

<アメリカへ行こう> 佐藤氏、21歳。アメリカで航空操縦免許を取得しようと思い立つ。このための資金を稼ぐためにリクルート社にアルバイトとして入り、営業を勉強した。

2年後、晴れて資金もでき、夢にまで見た渡米が実現した。アメリカの地を踏んでからは驚きの連続だった。道の広さ、ビルの高さ、商品のディスプレー、そしてモノの安さ。日本で売られている米国製品が本国の4~5倍で売られていることにこの時気づく。全てがカルチャーショックだった。同時にビジネスチャンスをここで垣間見る。

以前勤めていたリクルートの上司から薦められたナポレオン・ヒルの「成功の哲学」で発想の転換を学ぶ。これまでに燻っていたパイロットになる夢が閉ざされた現実をプラスに考える方法をここから学んだ。

<ドロップシッピングとは?>

  1. メーカーと直接交渉し、日本での販売独占権を取得する。
  2. メーカー側がはじき出した送料、および手数料込みのカートンの価格を製品個数で割り、その価格にEC-Connexionの利益を上乗せして製品をネット上で紹介する。
  3. 一個人が個人輸入するという形でEC-Connexionに購入を申し込む。
  4. 顧客のクレジットカード情報をメーカー側に渡し、メーカー側で決済、その後、EC-Connexion側にメーカー側から同社の利益分をバックする。
  5. EC-Connexion側は在庫を持たず、メーカー側からエンドユーザに直接発送する。

アメリカ人はロジカルに説明すれば、Yesと言う。事実、佐藤氏はこのロジックで数々の米国メーカーから日本での独立販売権を取得している。「やりたい→やれる→やらなければならない」の思考プロセスがまたもやプラスに働いた瞬間だったと佐藤氏は当時を振り返る。

こうして、「わくわくの気持ちを大切にするEC-Connexion.com, Inc.」が立ち上がった。同サイトでは、データベースを駆使し、セールスレターを効率的に打つなどの営業ツール機能も完備した。この手法を立ち上げてから6年、同社は順調に売り上げを伸ばしている。

また、立ち上げ当初はクレジットカードでの決済だけだったが、その後、代引きでの発送も開始した。現在ではこの方法が全体の6割を占め、売り上げは以前の2倍にまで成長した。

<まとめ> これまでの流通の常識と考えられていた方法に囚われて最初からできないと諦めていたら、佐藤氏の成功は決してなかっただろう。

パイロットの夢が閉ざされた時、そこから這い上がるために不可欠だった「発想の転換」。そして、何よりも「なりたい→なれる→ならなければならない」という想いに掻き立てられ、ただただ前に進むことだけに集中してきた佐藤氏。全てのマイナスをプラスに変えた同氏に学ぶことは大いにあったと思う。

EC-Connexion.com Inc.が運営するサイトは、何れも購買欲を掻きたてる様々な工夫が凝らされている。インターネットという広大な海原で、ウェブサイトを営業ツールとして有効に活用したいと考えている経営者には是非とも訪問していただきたい。

<発想の転換> 「普通のパイロットではただの雇われ者、自由に空を飛ぶなら飛行機のオーナーにならなければならない。そのためにはどうしたらいいか?そうだ!社長になろう!経営をもっと勉強して会社を作ろう!」

発想の転換でパイロットになる夢を再びプラス思考に変えた佐藤氏は、その後商社の飲食事業で3年間再び営業を勉強、途中、カリフォルニアへ1年駐在し現地の店の建て直しプロジェクトに携わる。

<独立準備> 帰国後、いよいよ独立準備に入る。米国製のレーザー関連商品を日本で販売する事業を立ち上げるが、メーカーから日本での独占販売権を得る交渉がなかなか進まなかった。メーカーの副社長は以前日本企業との取引でとても嫌な思いをさせられていたためだった。しかし、佐藤氏は自分の商品に対する思いを毎週1回FAXでメーカー副社長に送り続けた。

3ヵ月後、“You’ve got a deal!”(取引しましょう!)のFAXが返信されて来た。「やりたい→やれる→やらなければならない」の思考プロセスがまたポジティブに展開した瞬間だった。

<売れるはずの商品が売れない・・・> メーカー側からの条件は500個購入すること。当時、東急ハンズで同じ商品が5万8000円で売られていたので、これを1個US$35で仕入れて日本で2万2800円で販売すれば十分に儲けがある計算だった。

父親から借金してメーカーから製品を500個購入。問屋に卸すのではなく、モノマガジン(広告費は45万円)を利用し、エンドユーザへの直接販売を試みたが、売れたのはたった3個だった。

売れ残った商品をおもちゃ屋へ持ち込んだが門前払い、やむを得ず、東急ハンズで販売してもらうよう頭を下げてお願いした。先方は販売を了承したが・・・・それでも売れない。

販売ブースに暗室を設けたらどうかというアイデアが浮かんだ。レーザーは明るいところではその効果がよくわからないからだ。そこで暗室を設けたら少しずつ売れ出し、最終的に450個の販売に成功した。

<売れに売れた!しかし在庫で泣かされることに・・・> その後、会社は順調に成長、様々な商品の販売を手かげたが、その一方で資金繰りの問題にも直面していた。

売り上げが上がっても、次の商品を仕入れるために毎回現金が必要だった。その現金を得るために借金しなければならなかった。結局、会社に残る金はそれほど多くなく、経営的にはまだまだ改善の余地があった。

そんな矢先、詐欺事件に遭ってしまう。当時人気商品だった「宙に浮く地球儀」を1000個、コンテナにして2個分を騙し取られてしまった。この時、在庫を持つリスクがいかに怖いかを思い知らされた。また営業して買ってもらうスタイルから抜け出さなければならないとも考えた。

<在庫なしでモノを売りたい!> 丁度、アメリカはIT産業が急成長していた。これからは、インターネットだと考え、プロバイダ事業を展開しようとカリフォルニア州サンノゼへ向かう。ここでホームページ制作とデータベースの技術を取得する。

その後、データベースを利用して何か出来ないかを考え続けた。 また、「インターネット上でモノを売りたい、でも在庫は持ちたくない。これをいかに実現するか?」を思案した。

たどり着いたアイデアは、「在庫を持たずに客だけを集め、メーカーから直接発送してもらう。そうすれば在庫を持たずにモノを売ることができる。」だった。これがドロップシッピングを始める最初のきっかけとなる。

しかし、メーカーは通常、カートンごと、あるいはコンテナごとでFOBでモノを売るのが常識。誰に相談しても、「それは無理な話だ」と言われ、「諦めろ!」とされ言われ続けた。

佐藤氏は諦めなかった。アメリカのメーカーは本土とヨーロッパをターゲットにして商品を開発しているため日本市場は重要視していない。そこで、佐藤氏は、メーカーが日本の個人に販売するきっかけを佐藤氏が作り上げ、実際に販売が発生したら利益は全部メーカーのものとなることを力説。その販売手法をロジカルに説明した。