第10回深セン和僑会 深広信息網絡有限公司 代表取締役 田中 修一氏

第10回深セン和僑会 深広信息網絡有限公司 代表取締役 田中 修一氏 2007/07/14

開催日時: 平成19年7月14日(土) 19:20~20:40
議題: 1年で月間利用者数1万人獲得!まだまだいける!深セン生活情報サイト「シンセンスクエア」の誕生から現在までのドキュメンタリー
講師: 田中 修一 氏
開催場所: 羅湖爵士大厦
記載者: 深セン和僑会事務局  永島蓮太郎
出席者数: 43名

田中氏は深セン市に特化した生活情報サイト「シンセンスクエア」の誕生から現在に至るまでの成長をどのように実現したのかを今回の講演で説明した。また、今後インターネットマーケティングを検討している企業または個人に対し、どのようなことを実践するべきかのノウハウを公開した。

<イントロダクション> 本日は貴重な時間をいただきうれしく思っています。 本日の題目はシンセンスクエアの誕生から現在までの道のりをドキュメンタリーでお伝えします。これまでの道のりをいろんなエピソードをあげてお話していきたいと思います。

今は会場のほとんどの方がご存知でうれしく思います。1年前はほとんどの方が知りませんでしたが、最近ではだいぶ有名になってきました。

6月のページビュー(PV)は21万2000回を超えました。ですが、PVだけではいったい何人が利用しているか、これだけではわかりません。表1は、1ヶ月間で1台のパソコンから1回アクセスされたときだけカウントする方法でアクセスをあらわしています。

月刊利用者数同一のグラフ棒1では、7811人。これは同一なIpからはカウントしない数です。つまり1ヶ月の間1台のパソコンから1回訪れたときにのみカウントされます。月間訪問者数は、12235回です。これは延べの数字で、重複してカウントする数値です。リピートをカウントします。

今月7月は約9800人の訪問者と14000回の訪問回数を予想しており、これは大変喜ばしいことですが、1年前は7月200人くらいしか見てる人がいなかったのです。今回のお話は、ウェブサイトを活用したいがどうしていいかわからないと言う方にはうってつけだと思います。話を聞いている間、自分の会社へ置き換えて、自社はどうしたらいいかを考えていただければいいかと思います。

<htmlとは?> ホームページを作ったことがある方は、会場内では結構いらっしゃいますね。ホームページを作ったこともない方のために説明します。ホームページは何でできているかを視覚的に確認する方法がありますが、まずは、自分のパソコンのブラウザからソースを選択するとソースコードというもので確認できます。コンピュータはこれを読み込んで表示させています。ソースコードとは、HTMLと通常言われています。一般的なウェブサイト制作でつかわれる記述方法です。 HTMLも同じもので、HPを更新するときはすべて手作業で行う必要があります。そのため、サイト自体の規模が大きくなるほど管理作業が大変になります。

たとえばオートフォーカスがついていないカメラで言うと、手しぼり・シャッタースピードを手作業で設定しなければなりません。

最初は、このHTMLでサイトを構築するつもりでした。2年前深センに初めてきたとき、ネットで「シンセン」の情報を検索しても中々情報が手に入らなかったので、非常に困りました。そこで他の人も困っているだろうなというところから始めました。そこからヒントを得て、まずは簡易的なものをと考えサイトをHTMLで作り始めました。

いざはじめると、HTMLで管理が大変でした。すでに公開されているページがあるとします。既存のページからリンクを張るなどの作業が発生します。これを1ヶ月、1年と続けていこうとするとその更新作業は大変なものになります。ウェブサーバーに転送するのにも、サイト規模が大きくなってくるとHTMLを更新するのにもスタッフの手を借りても、手が足りなくなってきました。

<CMSサイトとは?> 「こんな中途半端なことではだめだ」そこでYAHOOに注目しました。そこでは膨大な情報が更新されているその方法を手に入れたらいいんじゃないかと考えました。 価格は非常に高価なものとなるのです。つまり、HTMLのたとえ話に対してこのCMSサイトとは、所謂マニュアルオートフォーカスがついた最新鋭のウェブサイトであるといえます。

業者にも調べてもらいました。数百万円もかかるといわれあきらめようかと思いました。いろんなところを調べました。なぜこれだけ高額なのか、説明しますとCMSが導入されているサイト画像サイト、などデザインをつかさどる部分。次にデータベースの部分に毎日更新する部分が含まれている。そしてこれらを自動生成するプログラムが組み込まれています。CMSサイトのコアの部分になるプログラムがあることでhtmlベースのサイトに比べて

<GPLとは?> 色々調べていくとGPLのソフトウェアに出会いました。これが私の人生を変えました。そのGPLというのは、ジェネラルパブリックライセンスの略。ソースコードの公開がされている。また、使用者へ改変の自由を認めている。自分が作成したいものが公開されていて、世界中の人々が修正を加え、また、こういったソフトが無料で手に入るようになっています。さて、GPLソフトで構築されているウェブサイトは日本の安部首相のサイトはGPLで構築されています。また、日本銘酒会もGPLで開発されています。

いろんなところでいろんな団体がこの無料ソフトがつかわています。深センスクエアでは、最初に使ったお金は3万円。それで必要な参考書を5冊買いました。そしてこのGPLをものにしてやろうと思いましたがわからないことばかりでした。そこでインターネットで調べました。そうすると世界中でGPLの教えあいなどをしているサイトがあることに気づきました。「この機能がほしいがどこにある」など質問をしました。そうしてプロトタイプができました。

<5つの問題への取り組み> しかし、公開開始当初は訪問者がひとりしかいませんでした。そしてそれは私でした。太平洋に一人だけいるような感じでしょうか?人がたくさん集まるサイトにするにはどうしたらいいか?問題を5つに整理して対策を考えました。

1.インターネットで露出度を高めるためには?→検索エンジンで上位表示を目指す。 2.人が人を呼ぶサイトにするには?→ほかのサイトにはない情報を提供する。 3.リピートしてもらえるサイトにするには?→最新情報をできるだけ早く提供。 4.自分たちの能力以上の影響力を獲得するには?→各サイトの運営会社やメディアと提携 5.広告主に喜んでもらえる広告媒体とは?→深センセレクトの開発。広告主に喜んでもらえるサイトをつくりました。

こうして自分たちの進む方向を決めていきました。では、個別の取り組みについて一つずつ見ていきましょう。

<1.検索エンジンで上位表示を目指す!(インターネットで露出度を高めるには?)> 検索エンジンで上位表示されなければならないのですが、どの検索エンジンで調べてもらう必要があるのでしょうか?アメリカではGOOGLEが1位です。フランスでは、グーグルが圧倒的に人気をほこっています。フランスでは66%。YAHOOは15%。アメリカほど支持されていません。アメリカとフランスと比較してわかるのは、日本ではYAHOOが52%と圧倒的な力を占めています。こう考えると日本では、YAHOOとGOOGLEだけでかなりの市場を抑えることができます。 位にランクインしています。これはインターネット関連事業では圧倒的に1位です。では、YAHOOとGOOGLEで上位表示させるにはどうすればいいか?

日本国内のブランド力のアンケートでも一般市場でもB TO CではYAHOOは4位となっています。B TO B ではYAHOOが30

1つめ、有料広告を表示させる方法があります。 キーワード連動型の広告です。お金を払えば検索されますが必ずしもよい結果が得られるとは限りません。スペースが限られています。企業間で競争が始まるんです。どうすればいいのか?それはライバル企業よりも高いお金で購入すればよいのです。

1クリックにつき9円からいくらと言う仕組み。そしてより高い広告費を払う、入札した企業が表示される方法。月にこの広告で数百万円もかけているというお話を伺いました。私はびっくりしました。

もうひとつ上表示の方法は、お金を全くかけないで上位表示させる方法です。シンセンスクエアでは「深セン」YAHOOで1位。「シンセン」GOOGLEで2位をとりました。これは広告料を払っていません。これはSEOというのものを施しています。検索エンジン最適化のことです。特定の検索エンジンを対象として検索結果で上位に現れるようにウェブページを書き換えること。またの技術のことを言います。

自分のホームページに来てくれてた人々を分析していきます。その検索をされたキーワードをもとに外部リンクの獲得する。相互リンクを増やしていくのはマイナスになることもあります。外部リンクからリンクがあるのは、評価されたことになります。これはアルゴリズムと呼ばれる仕組みから検索結果に反映されていきます。こういったことを継続的に行っていくことで得られる効果は絶大であることをシンセンスクエアは証明できたと思います。

<2.他にはない情報を提供する!(人が人を呼ぶサイトにするには?)> 人が人を呼ぶサイトを作るにはどうしたらいいか考えました。深センという街は開発のスピード非常に早いです。私たちの使命として、新しい記事を日本の皆様にどんどんアップしていく。また、シンセンにくるビジネスマンにも情報を伝えるうえでどういった形でシンセンに入るといいのか?など。これらを定期的に伝えてきます。医療面なども健康を考え日本語ではえられにくい情報を伝えるようにしました。これから滞在を予定している日本在住のユーザーもターゲット。「こんな役立つ情報もあるよ」といってくれることを期待して作成しています。

<3.ローカル最新情報を最速で掲載(リピートしてもらえるサイトにするには?)> 去年の年末の台湾地震で、ネットがつなげないことがずっと続きました。ところが、シンセンスクエアはまったく問題なかったのです。原因はわかりませんでしたが、その回線の復旧情報を確認できるようにしたらアクセス数が上がりました。この時期を機に、シンセンスクエアでは日々更新される台湾地震に関するネットの復旧状況をできるだけ最速で掲載しました。この他、日本人対日本人の話題性のあるものや日本人対中国人で話題の共有ができるものを提供していきました。

<4.各サイト運営会社やメディアとの提携(自分達の能力以上の影響力を獲得するには?)> 中国関連サイト運営会社との連携。THE香港(サイト)からも協力体制を敷こうといろんな企画を考えています。これらマスコミ・新聞との協力体制を強いていければと考えています。

<5.シンセンセレクト(広告媒体)の開発(広告主に喜んでもらえる広告とは?)>

これら明確化した5つの問題点について対策を講じた結果(10ヶ月)、去年の7月からことしの7月の成長はあきらか。またSEOの効果は絶大でした。去年の7~8月の訪問者数のわずかな伸び。これは私が直接交際しているかたにお願いした数。70~80人の方にお願いしてそれから713人へ増えていきました。わたしが直接口利きしたことで、これだけ伸びました。8~9月はほとんど成長が見られませんでした。この間SEOの対策をしていました。

仮に1年前SEOをやらなかった場合、HPの運営をつづけていたら1800人くらいの訪問しか得られなったと思います。SEO対策は10ヶ月の間に4.4倍の効果がありました。もちろん、結果はSEO対策だけではありませんが、SEO対策がどれだけ重要かわかると思います。こういったわけでシンセンスクエアは順調に推移していきました。

<月間利用者数1万人の壁に挑戦!> ある日香港の社長からあるお話を聞いたのがきっかけでした。まずは1万人を切らないように頑張りなさいと激励されました。わたしも正直ものでそれで目指したのが今年の3月で、9月までに1万人を突破しようと考えていました。

今、後もうちょっとのところまで来ています。当時予定していたよりも早く達成するのは間違いないと思いますが、ここまで来るためには新たな試みが必要でした。もちろんシンセン和きょう会のアピールもそうですが、サークル活動、勉強会、県人会の情報なども流しました。また、有料の情報を増やす方法を磨くことに力を入れました。たとえばエンターテイメントではナイト・セレクトなどといったようにです。

今後はブルーオーシャン(新市場)の開拓にも力を入れていくことを考えています。これはどういうことかというと、我々のサイトへアクセスしてくれるのは日本・中国と香港が多いです。その次は実はオーストラリアが多いです。これが非常に面白いと思いました。理由はシンセンはオーストラリアと提携がありその関連で日本の技術者が見ているのではないかと考えられます。その次はスウェーデンです。日本語を理解する技術者が見ている可能性があります。こういったアクセス数が増えているのを上手に増やして伸ばせば面白いと思います。また、 個人的な人脈を広げる。ネットなどのバーチャル人脈を増やすことも大切だと考えています。

<シンセンスクエア流の成功法> 人を中心にしてかんがえる。そしてお金に対する考え方、お金に固執しない考え方は特に重要です。「お客様によろこんでもらえるいい循環を増やす」ことができれば、人から人への紹介も生まれてくるようになっています。つまり、人のために尽くし、人の喜ぶサービスができればいいんじゃないかと考えています。

以下、要点のみ掲載します。

宇宙の法則:

・ 人のために尽くすことお客様に先に設けてもらいましょう。 ・ 人が人を呼ぶ輪に参加しましょう。 ・ お金の管理はしっかりでも、固執しない。 ・ 木を見ない、森を見る。 ・ 一度つくって「はい、終わり!」ではお金の無駄遣いです。

作ったからにはしっかり更新して下さい。ユーザーが見つけたい情報を見つけることができるかという「ユーザビリティ」のバランスをデザインと一緒に考える。会社としてしっかり考える。ブログとホームページの違いを考える。ブログは、古い情報がドンドン下に表示されてくる。この違いを理解しましょう。ホームページは会社の顔。会社の玄関のようにHPをアクセスすると恥ずかしいHPはたくさんある。会社の玄関口のような意識をしっかり持つとよいと思います。日本語のWEB製作は日本語の開発環境が大前提です。中国側で作ると文字化けが発生したりと問題が多発します。日本語の表示があるのであればこういった問題は必ずある。こういったことを知らない人が多い、そのリスクを考えてください。また中国ではSEOに関する知識がまだまだ少ない。そのためしっかり知識のあるところに頼んでください。人のために尽くすことを中心に内容を作りこんでください。 SEOに挑戦しましょう。

どのような情報でもこういった作業をしていくと必ず伸びます。またSEOは是非挑戦してください。このへんで、ちょっとSEOをやってみようと思うことは相談ください。いくらでもご連絡いただければと思います。

以上で私の講演を終わりにします。ご清聴ありがとうございました。

・ 店情報の分類化 ・ 一発検索 ・ HTMLベースの広告スペース ・ 低予算でお店を紹介。(3ヶ月1200元で提供) ・ 友達にメール送信機能 ・ 訴求性の高い機能 ・ レビュー書き込み&閲覧機能 ・ 投票評価機能つき ・ トップページからの誘導

深広信息網絡有限公司 http://sz-square.net 中国深セン市に特化した生活情報サイト「シンセンスクエア」の運営を柱にインターネット広告やウェブサイトの構築、SEO指導、インターネットマーケティングなどのコンサル業務を行う。「深セン」及び「シンセン」のキーワードでヤフーJAPANで一位、グーグルでは2位を獲得し、現在(2007年7月)の月間利用者数は約8000人

 

第10回深セン和僑会 深広信息網絡有限公司 代表取締役 田中 修一

第10回深セン和僑会 深広信息網絡有限公司 代表取締役田中修一 2007/07/14

 

<1年で月間利用者数1万人獲得!まだまだいける!深セン生活情報サイト「シンセンスクエア」の誕生から現在までのドキュメンタリー>

 

 

 

【講師】

深広信息網絡有限公司

代表取締役田中修一

http://sz-square.net

 

 

米国大学卒業後、日系商社の海外営業部で船舶関連機器の販売に携わる。父親の死を機に再び海外へ飛び出しモンゴルへ。モンゴルで教育事業を立ち上げるが、後にデザインの師と仰ぐ人と出会いデザイン職に転向。同時にモンゴルの技術大学で教鞭を取りながら、学生達を中心としたウェブデザインチームを発足。ユーザビリティーとデザイン性のバランスを重視したサイト構築の指導にあたる。

 

2005年3月、師匠と共に深センへ。深センに特化したポータルサイトの構想を思い付くが、師匠を支えることを優先。何もできぬまま1年が過ぎる。2006年5月、シンセンスクエアの構築にとりかかる。2007年1月、試験運転を経て法人化。本格的に活動を開始。現在月間利用者数8000人強。毎月15~20%で現在も利用者数が増加中。今年8月までに月間利用者数1万人を目指す。

 

シンセンスクエアの誕生から現在までの逸話を以下の内容を盛り込みながら惜しみなくお話します。

 

今更聞けないインターネットの重要性。

宇宙の法則。それは、人のために尽くすこと。

泣いた!笑った!お客様から教えられた真実とは?

木を見てはいけない。森を見て戦略を立てる重要性。

ホームページは会社の玄関と同じ。会社の顔に泥を塗るな!

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