第13回深セン和僑会 可宝得環保技術(深セン)有限公司 熨斗 麻起子 総経理 2007/11/10
開催日時: | 平成19年11月10日(土) 19:20~20:40 |
議題: | 現地採用の日本語教師がお水で起業するまでの物語 ~私を変えたコーチング~ |
講師: | 熨斗 麻起子 |
開催場所: | 羅湖爵士大厦 |
記載者: | 深セン和僑会事務局 永島蓮汰郎 |
出席者数: | 44名 |
講師紹介
熨斗 麻起子 総経理 可宝得環保技術(深セン)有限公司
【略歴】 1995年4月~ 湖南師範大学外国語学院日本語学科 日本語教師 1997年10月~ 深セン日系メーカー 生産管理及び営業担当 2002年12月~ 可宝得環保技術(深セン)有限公司 総経理 2007年1月 コーチ・トゥエンティワン コーチ・トレーニング・プログラム(C・T・P)修了
( 参考サイト http://www.coach.co.jp/ )
KTBリミテッド熨斗麻起子です、よろしくお願いいたします。 略歴紹介いたします。
95年湖南省外国語大学日本語学科で2年、その後シンセンで日系メーカーで生産・税関・管理などを行い、2002年12月よりKTBを立ちあげました。
それからコーチングを2年半かけて修了しました。 コーチ21(テュウェンティワン)の話をまたあとでゆっくりいたします。
この会場では、蘇生水を知っている方は6割くらいいらっしゃいますね。
18.9L入りの水を製造販売しています。 今は1本からシンセン・トンガン~広州天河区までおとどけできます。 1ヶ月に5ガロン、10万本をうっています。150件の販売代理店をもっていますが、目標にはまだまだ遠いので頑張っています。
廃棄処理などもやっています。 環境問題にも対応しています。排水のお手伝いもしています。 排水処理は中国ではライセンスが必要で、2007年にそのライセンスをとり、中国全土で排水処理ができるよになりました。
中国では緑色の水が流れているにも関わらず、そのまましにしている会社も中国ではおおいようです。
そのため、そこでまだ活躍できる分野があるように感じています。
将来日本語教師になりたいと考えていました。 日本の大学を卒業したものの就職難時代で、女子大生には就職が厳しかった。
そのため、湖南省の日本語教師の話を聞いてすぐ引き受けました。 一生に一度のチャンスかもしれないと感じました。 親とも誰にも相談せず決定しました。
それから家に帰ってから親に言ったら楽観的で、「1年でかえってくるでしょ」とおもっていたようです。
もう12年もいるので親も後悔しているのかもしれませんね。
赴任した中国湖南省は内陸でもかなり辛い「湖南料理」があり、毛沢東の生まれたところです。 湖南省のショウサというところは、そこに行くまでまったくどういうところか知りませんでした。
そこで日本語を教えながら中国語を勉強していました。 そのころは、シンセンでは最低賃金が内部850元、外部750元、わたしの給料は当時たった800元(約12000円)でした。
2年で貯金もちょっとしながら楽しく日本語教師のノウハウをみにつけていました。 2年半終わると最初の学生が卒業します。湖南省にも日系企業がいくつもありました。学生をつれて実習にいったり案内していました。
自分も実習で通訳が務まるのかと不安でした。 また、私の知っているビジネスマナーでは知識が不足していると感じ、「社会人になってから、それからもう一度日本語を教えるほうがいいのではないか?」とおもいました。 それで、中国香港返還の7月に湖南省から香港にいきました。 なんでもある香港が楽しくて、また一方でタイに行こうかなとも思いながら香港の安宿で1ヶ月すごしていました。
それだけいると色々見えてきて、「日本人も結構働いているから、ここでも就職できるかも」と思ったのが運のつき。就職の活動スーツなんていいうものもないまま、人材紹介のパソナさんへ相談にいきました。
履歴書を買って書いてもっていきました。するとすぐ面接行きましょうといわれたので 「私仕事は何でもいです」といいました。
2社みて、そのうちの1社に決めました。 1社目のほうが、楽しそうだし2社目は「女性には責任ある仕事は大変だから、お手伝いかな」といわれたこと、また1社目は「男でも女でもいいからすぐ来て」といわれて呼んでくれる1社目にすぐいきました。タイはその時点であきらめました。
それから一度上海経由で日本へ帰りました。
日本の家族はタイへ言ってると思ってたらしく、でも香港の社長から家にも電話がはいってて「いつこれますか?」といわれて驚いたようです。
そこで、シンセンにもどってすぐ仕事になりました。 でも、ものづくりの経験も社会人の経験もないので専門用語がまったくわからず困りました。 そこの会社は部品の購買で問題があるところでした。 ちょこっと中国語ができるのでどんどん仕事をまわされました。ISOもやってくれといわれました。ISOの意味もわからない私には最初はかなりきつかったです。なきました。
最初に一番思ったのは、私ばかりなんで会社でいじめられるのだろうということです。 「毎日時間に追われ仕事に追われ何でここにいるんだろう」などノートに書いてました。
被害者意識でした。体重は今より7KGもオーバーで顔に表情もないようになりました。 ただ、もうひとりちょっとおかしくなってやめた人がいて、辞められなくなりました。
そうしている内に被害者から批判者に代わりました。 かたっぱしから批判しました。 おきゃくさん、業者、同僚・・・・。
頭はそれで一杯・・・そのうち今度は考え方がシフトしました。 そして、学習者になりました。 私には何ができるだろう、私はこの件でなにかできることはないだろうかと考えているときにコーチングに出会いました。 それからは、物事がうまくいくようになりました。 問題はたくさんありましたが。
批判してもかわらないけど、学習者になったとたん、うまくいろいろ回るようになりました。
わたしはコーチングをすごく必要としているかもしれないと考えました。 それで、考え方が変わると勉強も面白くなってきて現場を改善したりしました。 大きな会社の総経理などと話すこともありました。
人間関係とは「かし」をつくること。 現場はドル箱。
などなどの名言も学びました。 たのしくこうように成長しました。
それでなぜ独立したのか? なぜお水?ときかれます。
会社では、将来オリジナルの商品がないとやっていけないのではと思いました。 研究開発部と検討しました。 バッテリーリサイクル、リニア式で浮くベッドなど。 チタンは当時プレス技術がなかった。チタンは軽くて強度も高い。
これを取り寄せてプレスして加工して・・・その中で水を見つけました。
生活で中国でもおいしいお水をのみたいなと思っていました。 日本で機器をみつけたので購入し工場につけてみました。ワーカーなどに飲ませました。
その当時は、顔ににきびがある子なども多くいましたが飲ませてみると顔のにきびが治っていく。 それをみて、その設備は本物かもしれないと思っていました。 そこで評判も立ちました。 その商品は、そういう売り文句で「眉唾だなあ」と思っていたんですが。
これを仕事にすればと考えていると、メーカーで投資の関係で別の会社をつくることになりそこで人生が大きく変わりました。
なんと、そこの38名が一緒なりたい、会社を辞めるといってくれたんです。 それで彼らと大学のサークルみたいにわいわい言いながら掃除したりして運営していきました。
会計は別にいました。 水作りは彼らなどと作業を分けました。
私は営業だけ。 お金はあっという間になくなり、資金ショート。 お金がないので、ポケットマネーを崩してました。それもなくなると、「まずいよね!?まずいよね!?」といっていました。未熟な会社だったので。
これを予測していなかったので責任が重くなったように感じました。
わたしは営業だから営業に出ました。でも水をどう売っていいかわからないから。 日系企業に片っ端から電話しました。
「おためし10本できますが、いかがですか?」といって回りました。 かってくれる方もおおくいました。
営業もあたったりはずれたり。 営業マンを育てる余力もないので、どこかで日本人の集まりがあるといきけば、参加していました。
知名度が上がってきて、「家でのむよ」といっていただけましたが、流通ができていなかったので自分たちで直接ボトルをもって行きました。
すべての個人のお客様に自分で持っていきました。
「じゃあ、おいしいみずどうぞ」とか言って。
夜8時といわれれば8時、9時といわれれば9時に届けました。 そのうちにサーズが始まりました。
今は人をそとから呼ばないでと言われました。
マスクをしながらの商談はむずかしいですよね。 それでも頑張っていると、やはり口コミが起こりました。
特に奥様。 奥様からご注文いただけるよになりました。ついでに、「だんな様の会社では蘇生水おつかいですか?」と聞いて回りました。
一番うれしかったのは、鳳凰山で商売繁盛を祈願してで山に登りました。 そこに入ったらそこに蘇生水がありました。
感動しました。
景州・広州からの問い合わせのもありました。 ところが、ボトルには日本語で書いていました。
これ、日本のものって思われてやばくないのかなと思いました。
営業も難しくなりました。日本の水ならいらないといわれることもありました。 こういうときが踏ん張りどころだろうなと思いました。
「ここがふんばりどころだ」ときづいたところが自画自賛できるところだと思っています。 そこに気づかなければいけなかったとおもいます。
売掛金の回収の問題もありました。 「お金が回収できていません」といわれました。
現金回収隊を作りました。パートナーとしてやっていたけど逃げた、従業員が逃げたなどの問題がありました。
中国企業はお金を払わなくていいシステムを作っていたからです。 ハンコがないとだめ、その日を過ぎたらだめ、といってきたり、担当者がコロコロかわるなどです。
「お金を払わずに住む財務は優秀」などとといわれていました。
現金回収のノウハウも身につけました。 中国マーケットで物を売っている、中国式の方法があるのではないかと思いました。 現地の人、温州の人など商売上手な人に秘訣を聞いたりしていました。
「そうすればうれるのか!」とたくさん気づきました。
その後、第1回大陸博覧会では指定飲料水となりました。 シンセンでは2011ユニバーシアード(世界規模の大学生体育大会)の指定飲料水も狙っています。 ネームバリューもない会社でも人間関係で商売できるのが中国の醍醐味とおもっています。
今年に入ってからペットボトル販売ができるようになりました。 これは違う名前にします。それでどんどん販売することでそのブランドを築こうとおもっています。
それでブランド名で栄養剤などを販売できればすばらしいと考えています。 「会社も1年持てば良いね」といわれていましたが、おかげさまで丸5年になりました。
そうしながらすこしづつノウハウを吸収し中国で新しい一手を準備しています。
これまでやってきて人生の曲がり角だったのは、まずは「湖南省に行く決意」。
それから「香港で就職」「お水を売る」。違う選択もできました。
タイにいく、中国やめて日本へかえるなど・・・。、
でもなんだか、そっちもおもしろそうなどと考えて新しい1歩を踏み出してきました。
そのとき「これをやったら成長できるな」「これを乗り越えた自分にあってみたいな」とおもうと、にやにや笑いしてしまいます。
これらの話は実はコーチングにつながっています。 コーチングには目標の先を見るというスキルがあります。
目標をみて足がすくむということがあります。 その向こうを見たとき足が前に出ます。
よくいわれるのが、5円玉を立てること。
5円玉をたてようとするとたたないが、 立てた5円玉に糸を通してくださいと言われると5円だまは立ちます。
コーチングは親・教師などの教えを体系立てて学んだものです。
私がコーチングに出会ってから2年半。 コーチングは、もちろん人間関係営業、仕事にも使えます。
コーチングの本を買って読んで勉強されることをお勧めします。日本でもコーチングが浸透しはじめIBM・ペプシもコーチングを取り入れて企業を伸ばそうとしています。
カルロスゴーンも「私はコーチ」だといっています。
日本では富士ゼロックスも使っています。 2001年から中小企業診断士の試験でも入っています。
コーチングは2つあってインターナルとエクスターナルがあります。 自社内にインターナルコーチを何百人と作ろうという動きもあります。 コーチングマネージメントのある本は東京の書店で600冊売れたんです。 P&Gが買いました。そこでは、200~300人育てています。 コーチングとは何ですか?からコーチングで社内でどう活かそうなど、と世間での考えは変わってきています。
コーチングはいろんな方面でも可能です。 起業したい人、起業の経営者やマネージャーにも使えます。
例えばコーチング導入後には、職場のコミュニケーションで生産性が上がる、プロジェクトの進行が早くなる。部下の自発性を高める問題解決能力があがる、などの結果がでてきます。
だからインターナルコーチを育てているのだとおもいます。
ここでコーチングをはじめて聞いた方も会場にはいらっしゃいますね。 コーチングマインドというものがあります。
相手を100%信頼します。
それから始まります。 でないとコーチングは機能しません。
いろいろあるけども100%信頼する。 また、答えは相手の中にあるということを信じる。 聞いた後答えが得られない場合、待つとなぜか答えが出る。
それがコーチングです。
すぐアドバイスする、ではなく「ヘルプしない」のです。相手の思考力を育てます。
コーチングにはフローがあります。 いろんな準備があります。
ちょっとたわいない話をしたりして準備運動があります。
まずは人間関係を温めないといけない。、そのあとゴール設定します。 会社の雰囲気を良くしよう、会社の業績をあげたいなどの曖昧なもんではなく、達した瞬間に達したとわかることで設定でないといけません。
意外とむずかしいですが、これを質問して鮮明にしいていくこと。
ゴールをすごく鮮明にします。このゴール共有できる現状を明確にします。
現状をとにかく見る。 「いまはどうか?」これを相手から聞き出す。
今度はギャップ分析です。 現状とゴールとのギャップを見ます。
次に、アクションを決定します。 ギャップを埋めるためになにができるか?ギャップを埋めるために必要なことは? なにがあればゴールに近づく?そうやってアクションを決定します。
最後に一番大事なフォローをします。
コーチング3つの原則の中で一番大事なもの、 オンゴーイングで必ずフォローすることが必要です。これがフローです。
質問の力を最大限に使います。相手の考える力を育てます。 質問されたら考えますよね?例えば問題ありますか?と聞くと問題は出てきます。
問題をどうしたらいいと聞かれるとやっぱり考えますよね?
3年後はどうなっていたい? やっぱり考えます。
2番、質問はモチベーションをそだてる。
やるべきことがはっきりわかると自ら行動を起こす。
わたしはにやにやするとすぐ行動する。 最後、質問は相手の心を開きます。
人は聞かれるのがすき。
これは質問力です。 人は聞くより話したい。
だから話の腰を折ったり先に答えを言ったりするわけです。
コーチングは大体1対1です。
じゃあ、このコーチングが機能しているかどうか測定する方法はどうするのでしょうか?
3つあります。 行動が変わったか?行動を起こしたか?行動をやめたか?
最後にコーチングで一番重要なこと、それは一番基本的なところ聞くスキルです。 聞く姿勢がものすごく大事です。
何でかわかりますか? コーチングはインタラクティブで双方向であるべき。だからです。
話し方のトレーニングを読んだことのある方はありますか? 聞き方について本を読んだ方いますか?
コミュニケーションの一番の問題点は、話を聞いてもらえないということです。
9割くらいの方がその経験がありますね。 聞かれないとき、相手はどうしていたでしょうか?
聞かれないことはすごくストレスです。
話しを聞いてもらえなかった経験感覚で、話がしやすかった経験のある方、話してすっきりした経験のある方はほとんどですね。
これはとても大事です。 これはどういうときでしょうか?頭を使って考えてください。
ぜひ10個くらい書いてみてください。 聞かれた経験がある方は。
自分はそれができているか、チェックしてみてください。 10個チェックがつきますか?
といったことをコーチングのクラスでは、やります。
今日私がこのことをはなしたのは、日常に役立つからです。 今日は頭の中で沢山考えてみてください。
これで終わります。ありがとうございます。
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以上です、ありがとうございました。