第18回深セン和僑会 テクノセンター 川副哲社長 2008/06/14
開催日時: | 2008年6月14日(土) |
議題: | 『 成功の裏にあるゴマンの失敗~テクノセンター川副社長の人生相談所~ 』【川副社長 VS 和僑会シンセン事務局選抜スタッフ3名】 |
講師: | テクノセンター川副哲社長 |
開催場所: | 新時代酒店爵士大廈21階 |
記載者: | 星 崎 |
◆中国華南地区の中小企業の駆け込み寺『テクノセンター』を創業 ◆華南ビジネス関連書籍では、必ずといっていいほどお名前を見かける大御所 ◆テクノセンターについて テクノセンターは1991年三田工業などを中心に40名300万香港ドルで設立。16年の歴史があり、中小企業のイメージが強いが、富士ゼロックス、ブラザー、ミノルタなどそうそうたる卒後企業が名を連ねる。3000人からの従業員を抱え、7000人規模の運動会なども行い現在の入居企業数約50社。業種はプラスチック関連5社、組み立てなどからライセンスの難しい印刷業も2社そのほか建設、会計、輸送、教育など実に多彩。輸出1.3億米ドル(さまざまな製品の輸出入や貿易許可、通関ノウハウの蓄積)うち、転廠(中国内での保税工場間取引)約65% 従業員約3,000人。現在は発電機7台。 水施設に億円単位の投資(井戸の水を浄化など)宿舎ABC3棟あり4,400名収容可能(16名一部屋)340~350部屋
狙い ●参加者の70%を占める20~30代の若手ビジネスパーソン が抱える心理的・物理的課題を、事務局選抜メンバー3名が代弁する形で 質問を投げかけ、それに対して川副様に応えて頂く。 ●喫茶店の中で、若者3名が人生の大先輩 川副様に “人生相談に乗ってもらっている”“楽しくマジメな話をしている”イメージで。 ●参加者からも質問を投げかけてもらい“双方向型”“全員参加型”の “人生相談所”にしたてあげる。 ●結果として、「雲の上の存在」だった川副様に対する親近感を 参加者の方々に抱いてもらい、「成功哲学」「経営の王道」を ムリなく自然に学んでいってもらう。
講師 川副 哲 様 肇英實業有限公司 董事長、 香港日本人商工会中小企業部会会長 八日会代表幹事、 深センテクノセンター代表幹事、 陽江長崎ハイテクセンター社長
深セン和僑会事務局選抜スタッフ 西塚 正基 蛍日国際貿易(上海)有限公司 (若者担当) 熨斗 麻起子 可宝得環保技術有限公司 (女性担当) 関 敏 威凌克餐飲(深セン)有限公司 (コンサル)
司会 西周 和之 BAF Linkage
公演内容(質疑応答形式)
質疑① 起業のきっかけ 1970年に入社、当時は起業については考えていなかった。 サラリーマン時代にアジアマーケティング会社設立の経験後 当時のお客様から誘いを受けてHKに来る。 マーケットを知っていたこと、経営も面白そうということで起業(たまたま) 質疑② 拡大・進出へのきっかけ 拡大時は相乗効果がある時 (例 プラスチックの加工と成型) (例 建設と工業団地運営 )
質疑③ 人脈 自分に余程の能力が無い限り人脈は必要 深い交流、ハートとハートの交流が出来る人が多ければ多いほど良い 人と人とのつながりを大切にし、自分も友人、起業家から情報を頂いてきた
質疑④ 人脈について何時から考えたか、どうやって広めたか 戦略を作る必要がある。自分は事業戦略の中に明確に入っている どうやって自分の忙しい限られた時間を使いかを自分で計画する 営業をやっていた頃から支援を頂いていた 誰でも良いわけじゃなく、自分の戦略の中から、必要な人を紹介していただく。 必要な人と付き合うには、楽なほうではなく、難しいほうへ行く 社長の仕事のとしてトップ営業、トップ購買をしていく中で、ベンダー、お客さん、学校の先生、同業者などとどうやってどのくらい何時会うかを事業計画に盛り込む。意外とないがしろにしてる人がいる。
質疑⑤ 仕事、家庭、家族、プライベートのバランスのとり方 良い家庭があって男は初めて事業が出来る> 若い時(26~30)は家族を省みていなかった。子供に悪いことをした。 年をとって来てから、家庭の大切さがわかった今後は 今後はコレも戦略に組み込みたい。
質疑⑥ 経営者とマネージャーの違いについて 責任、覚悟が違う。 経営者は全部を見る。家庭、社員、お客を背負ってる。 きちっとしたバックグラウンドがあり、自分で自分の金で決済する。 リーダー、マネージャーにはその責任が無い。 経営者はウェートが高く寝込んでる暇も無い。 お金=地位を解ってないと駄目。
質疑⑦ お金を作る能力 サラリーマンでも少しづつ貯める事(3年で500万) 株を買って経済を勉強して余裕のある金を作る PL、バランスシート、キャッシュフローなどが解って初めてお金のことが解る。 それがあってから起業すべき。 自分は1950年中小企業診断士の勉強をした。幅広い知識が身についた。 HKには天、時、人がそろってた。 税金が安い→お金がたまる→お金があれば浮き沈みも大丈夫
質疑⑧ 追い風、向かい風の判断 自分で環境を読み、事業計画の事業環境のところに入れる。 トータルで見て向かい風のときには 1.人財開発(時間がので少ない人手) 2.原価低減(無駄をなくし少しでも安く) 3.技術開発 を出来るだけスリムに行う。
質疑⑨ 人財育成と現場とのコミュニケーション 社内報を自らチェック、回答 事業部会議への出席 QCサークルなど 自分も今は少なくなってきた。本当に良くない。 社員教育制度、幹部教育制度は外部の力を使い、強化構築中
質疑⑩ リーダーの抜擢、組織作り 技術とリーダーの適正は関係ない。 彼らのキャリアプランを見る(やりたがらない人もいる) 人財評価 1.個人の業務目標(毎月) 2.それを達成する為のスキルマップを作って自分で目標を立てさせる 3.部下の指導力(部下の??を管理してるか、全社活動への参加、勤務態度) 4.日報、週報←営業日報は技術の蓄積、会社の方針確認できるからとても大事 を出来るだけ客観評価で評価する。 個人の都合(かわいい、便利)で判断しない 部門長と自らが評価する。
質疑⑪ 財務管理のスパン 今は月度管理 京セラみたいに毎日管理出来るのが理想。 ERPが8割構築されてて日々管理も出来る状態 これは全社員が必要性を理解してから
質疑⑫ 管理工数のあるべき姿 ポジションごとに違う たとえば営業はお客様第一なので少ない。週か月でも良い 質疑⑬ どの事業が儲かってるか テクノセンターは良く仕組めた どうやってお客とセンターの双方に利益を出せるかがうまく行ったから 規模を大きく出来た。(20億の投資で毎年4億の利益) 本業のメーカーの方は普通は経常利益3~5%。今は2%位の経常利益なので 5%を目標にしている
質疑⑭ JBNについて 自分は支援しているだけで、経営はしていない。
質疑⑮ サービス業の見えないものに対する価格のつけ方、知ってもらい方 ニーズが有るかの見極め。思い込みだけじゃない物を理解する。 ありがとうと言われるビジネス、お礼をもらえるビジネス 大事なこと 1.ニーズが有ること、それを理解すること 2.仕組みづくりのパートナー 3.マーケティング、戦略
質疑⑯ 経営者の暴走を止めることの大切さ 1.ガバナンス、コンプライアンス、CSRとかの内部統制を勉強する。 2.そういう事が言える仲間、顧問を持つ 3.取締役会を機能させる。(取締役は1票1票社長と同じ) 質疑⑰ 後継者 起業は永遠、自分は有限、 事業計画書の中にも会社の課題として盛り込んである。 中小は殆どが躓く問題であり、自分の会社は特に難しい。パブリックでなければならない。 一番は会社の中から出てくること。20代じゃなく40代50代の人。
質疑⑱ ノウハウ入手の為だけの入社を認めるか 大手じゃないところはそういう人ばかり 経営者次第だが、大きい事業はどのみち1人じゃ出来ない。 夢をどこに持つのか。高い夢ならば協力者が必要